「版画家 石村嘉成さんを迎えて」 垂水康浩
 
 この度、新居浜ライオンズクラブ例会での卓話に私の親友でもあります石村父子をお招き頂き誠にありがとうございました。
 
 石村氏と私は中学以来40年に亘る付き合いです。彼は香川大学を卒業後、ご両親が経営する食肉の小売業から自分で精肉行業を開拓し、現在西中学校の南で手広く事業を営んでおります。
 
 事業は順調なのですが、私生活では長男嘉成君が2歳で自閉症と診断され、また11年前に病気で奥様を亡くすなど、身近で彼の苦労をみてまいりました。
 
 嘉成君が新居浜商業高校在学中は、雨の日も風の日も自転車で伴走をして通学させておりました。普通なら車で送迎するところでしょうが、石村氏は、嘉成君を社会に順応させるために敢えて厳しい道を選んだのです。嘉成君が生まれて22年間、彼の自立に向け惜しみない愛情を注いできたのでしょう。
 
 石村氏と嘉成君がの真摯な生き方が実を結んだのか、商業高校在学中に寺尾先生という美術の先生に才能を見出され、若手芸術家の登竜門であるフランスのコンクール、エコール・ド・パリで優秀賞を受賞し、そして、今年、環境庁主催のコンクールで環境大臣賞を受賞されました。
 
 昔、映画「レイマン」でダスティン・ホフマンが自閉症の青年を演じ話題を呼びましたが、ビル・ゲイツ、アインシュタイン、エジソン、キュリー夫人、ピカソ、モーツアルト、太陽の塔の岡本太郎、そしてマイク、タイソン等、世の中で天才といわれる偉人には発達障がいの可能性がある方が多いと聞きます。
 
 また、その才能が世の中を便利な生活に変えたり、人々に感動を与える作品を作ってきたこ事は言うまでもありません。
 
 私も今後微力ながら彼ら支援してまいりますが、皆様も新居浜市発展のためにも、ご指導ご協力の程よろしくお願い申し上げます。