「奇跡! 5:56,37同着完走ゴール」
伊藤 龍一

 2月4日(日)第56回愛媛マラソンに青野さん、後藤さんと私の3人で参加しました。
学生の頃より運動部には所属していましたが、走るとか筋トレとかの練習が大嫌い。サボってばかりでまともに練習などしなかった私でしたが、今回思うところがありまして47歳を迎える年に初マラソンにチャレンジしました。9月に当選が決ったものの中々練習に重い腰が上がらずにいましたが、11月に入りようやく走り始めました。
 
 とはいえ最初のほうはたった1キロ、2キロ。走っても肺と心臓が破けそうなくらい苦しい状態で、これではとても42.195キロなんてとてもじゃない。また日増しに寒くなるこの季節、練習に出るのが辛くて仕方ありませんでした。しかし自分でエントリーすると決めて始めたのだから、せめて完走だけはできるように頑張ろうと1か月100キロの練習を目標に走り込みました。
 
 満を持して迎えた当日。前夜には松山にて3人でささやかな恒例の決起集会を開きレースに臨みました。いよいよスタート! 私は、未経験者ということもありまして先頭より15分遅れの最後尾でスタートでしたが、序盤は快調にいつもの自分のペースで走りだしました。しかしこの日は何かが違いました。練習では10キロ15キロ普通に走れるようになっていましたが、この日は20キロ過ぎたころから足が攣りそうな感じになりだし、走り方がおかしくなると足の裏に豆もできて最悪のコンディションに陥りました。
 
 タイムも気になりましたがやむを得ず給水所の救護ブースで足の治療をしてもらいなんとかレースを続行する事が出来ました。しかし、歩くことも多くなりペースは落ちる一方でした。それどころか35キロ頃からレースの終了の目安となる6時間のペースランナーに追いつかれる始末。あと7キロもある・・・。もうダメかも諦めよう・・・。と何度も思いましたが、寒い中沿道に来てくれた家族や知人の応援、そして一番は自分で決めたのだからやり抜こう! と思い、最後まで足を止めずに走り切りました。
 
 ゴール直前で後藤さんと一緒になり二人で手を繋ぎゴールした瞬間は、何物にも代えがたい達成感に満ち溢れました。フルマラソンという孤独なレースに挑戦して、マラソンの奥深さを少しだけですが垣間見ることができ、色々な事を考えるきっかけとなった貴重な経験となりました。