テーマ「健康について」 

「歯を美しくするには」  林 幸央
 
 「美しい髪は健康な頭皮から」といわれるように、美しい歯を保つには、土台である歯ぐきの健康が第一です。
 
 健やかな歯ぐきを脅かす、最大の敵は歯周病。その過程には歯ぐきだけが腫れる初期段階の「歯肉炎」と内部まで炎症が進み、最終的には歯を支える骨まで溶かす「歯周炎」の2つのステップがあります。
 
 歯周病の予防・改善には、毎日の歯磨きが基本。歯と歯の間には歯ブラシだけでは清掃できないので歯科を受診して、ブラッシングや歯間ブラシ・フロスの使い方を指導してもらい、必要なら歯石除去もしてもらうこと。正しいセルフケアが出来ていれば、歯垢(プラーク)がたまらないので、必然的にこれの石灰化物である歯石は発生しません。過去に治療した歯でも、詰めたプラスチックの変色や2次虫歯があったり、不適合なクラウン(俗にいう差し歯)があれば正しく治療し直してもらうこと。
 
 上記「炎症」のコントロールと並んで重要なのが「力」のコントロールで、具体的には28本歯がそろっていること。欠損部はブリッジであったり、部分入れ歯であったり、インプラントであったりするが、それを含めて28本という意味です。この上で、咬み合わせのバランスでとれていて、悪臭癖をコントロールすることです。
 
 悪習癖とは、歯列接触癖(口を閉じてる状態でも歯が接触する癖)噛み癖、歯ぎしりの3つです。食事の時は、左右均等に小臼歯から噛み始め、食事の時以外は安静位空隙(平均2o)を保つこと。1日24時間中、20分以上歯を接触してはいけないものです。
 
 歯ぎしりは夜間無意識にしてしまうので歯を守るために、ナイトガードを使用する必要があることが多いです。この「力」のコントロールが清掃と同じくらい重要で、不適切だと歯が磨り減って変形したり、亀裂が入って着色や虫歯の起点になったり、部分的にはやく歯周病が進行して口腔を破壊してしまいます。
 
 結論をいうと、最低6ヶ月に一度は歯科を受診するようにして、正しいセルフケアと虫歯、歯周病が進行してないこと、「力」のコントロールが出来ていることを確認することです。
 
「歯が悪くなってから歯医者に行く」のは戦後から昭和40年代までの話です。