『歴史に学びたい』      増 田   巌
 あの敗戦からすでに半世紀余り、ここでもう一度振り返り考えてみたい。
 
 
 敗戦を知ったのは、榛名山の伊香保という温泉町に爆撃を避ける
ために避難しているときでした。昭和20年8月15日 朝から蝉の声が甲高く響く暑い日でした。
 
 それから10年間は未曾有の大混乱期、食糧難、超インフレ、価値観の逆転など未知の出来事が襲い、試行錯誤の毎日でした。生きていくのがやっとの時代、朝鮮戦争という神風が吹き、日本全体が息を吹き返した。紆余曲折を重ねながら何とか危機を脱し、日本も私個人も成長して今日に至りました。
 
 以来、60有余年、未だに争いが絶えず、人間のエゴむき出しの地獄が広がっております。
宗教も同じく地獄絵図で残念です。幸い日本は平和が続き繁栄を得ることが出来ました。
 
 それもそろそろ限界が見え始め、平和ぼけが積み重なり、事によると破局に近い事態が出現するかもしれません。
 それもそんなに遠くない時期と言われております。
あの敗戦の悪夢が再現するかもしれません。
 
 最悪、金融恐慌、超インフレが起きるかもしれない。これは空想でも漫画でもありません。
確率60%の予想です。国民全体が平和に酔い、認識不足、自己中心、危機管理が出来なければ、何かの引き金が起きれば火薬大爆発を起こします。
 
 たとえば、台湾海峡問題、予想される大地震、バブル等引き金の因子は沢山あります。内外の情勢を冷静に読み、地政学を読み、いかに対処すべきかを考えたいものです。
 
 対応が適切であれば、何とか乗り切れる。敗戦の時も心に備えあれば慌てなくて適切な対応が生まれた。
 明治維新に起きた現象、敗戦時に起きた現象を参考にし、それぞれ身に合った予防、対応策を考えたいものです。
 
 まずは歴史をよく観察して情報を得る、そして予想して対応していく。
必ず道はあるはずです。色々と意見を述べましたが、年寄りの冷や水と考えないで、よく冷静に時局を観察して、危機管理に意を用いていただければ幸いです。
 
幸運を祈る。